2-8 ペグ法の応用範囲(演説、講演)

記憶法がもっとも古くから利用されているのは、
演説、挨拶、講義などである。
原稿を読みあげる挨拶などは
聴衆の心にうったえることがむずかしい。

演説などに記憶法を利用したのは、
ギリシャ・ローマ時代からで、
当時は便利な筆記用具がなかったので、
記憶法で覚えたのである。

雄弁家になるには記憶法が必要技術であった。

ギリシャのシモニデス(BC55年頃)など
古代の雄弁家たちは、どのような記憶法を使ったのだろうか、
これはペグ法とまったく同じである。

彼等は「場」と呼ぶ方法を用いた。
それは自分の家の部分(場)に
演説の要点を連想でつないでおくのである。

たとえば、
演説の最初の要点を、玄関に連想する。
二番目は応接間、三番目は応接間のイスにというように連想しておく。
演説するときに、自分の家の中を順に思い出していけは、
要点が思い出せるのである。

英語のin the first place(まず第一に)という慣用句は、
この「場」の記憶法に由来している。

この要点を連想するのは、連鎖法でもできるが、
ペグ法の方が使いやすい。

連鎖法だとどこか記憶しそこねると、あとがうまく続かなくなる。

そして、ペグ法だと話しているときに、
いま、全体のどの辺までかすぐわかるので、
時間によって、適当に飛ばしたり、
ある部分をくわしくというようにコントロールできる。

演説を記憶する場合、
逐語的に全部覚えようとすることは不必要である。
要点を順序よく覚えておけばよい。

もちろん原稿をつくることは大切である。
十分練り上げた原稿をつくり、何度か読み、
その要点を記憶しておけばよいのである。
あとは自分自身の言葉で話せばよい。

このように要点をペグ法で記憶しておくと
話すことに自信が持て、途中で脱線したり、
あがってつかえたりしなくなり、話が上手になる。
この要点はあまりこまかくてはいけない。
20ぐらいのペグで十分である。

はじめは15分ぐらいの話に
10ぐらいの要点で行なうように練習する。

15分の話というと原稿にして
400字の原稿用紙10枚前後であるから、
一枚一つのペグでよいのである。

話すだけでなく、話を聞く場合にも利用できる。
受講する場合などは要点をこまかく覚える必要がある。

話す場合の倍ぐらい必要である。
しかし、これも慣れれば、少しの要点ですむようになる。
また読書の場合にも役立つ。
読みながら、要点を次々とペグの体系にかけていく。

この習慣をつけていくと、
本の内容を丸ごと把握できるようになる。

だから、常に10から30ぐらいの項目が入れられる
ペグの体系をいくつか持っていると便利である。

しかも、それぞれの体系は重複しても使える。
それは、覚える主題と一番の項目を連想でつないでおけば、
同じペグの体系を何回も使えるからだ。

一度ペグの体系にある事項を入れたら、
別の事項は入れられないと思っている人があるが、
これは間違いである。

主題ごとに違った連想をしておけばよいのである。

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